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感動なんか、させないよ。

このタイトル、以前の母ぴさんのブログへのコメントと同じになっちゃった。でも、どうしても他にいいのが思いつかなかったから……いいことにしようっと。

ふと気付けば、バンクーバーまで2カ月しかない。この間シーズンが始まったばかりと思っていたら、本当にあっという間だ。
ほんの一カ月前、ロステレコム杯が終わるまでは、大画面で観られるジェーニャの映像がトリノ五輪のDVDしかなかった。だから春先はバカの一つ覚えのようにそればかり観ていた。だから、最近はあんまりというか、全然観ていなかったのが「ゴッドファーザー」。

ジェーニャのプログラムって、なんだかんだで迷プロだらけだけど(笑)、迷プロなりにどれにも不思議な魅力があって、文句をつけながも観ていると癖になるものばかりだ。でも、実は実は。「ゴッドファーザー」だけは有り体に言って、どうしても好きになれない。 何でなんだろ。自分の乏しい知識と語彙ではうまく説明できないんだけど、「効率を突き詰めた」感がありありで、他のプログラムみたいな遊び心がなさすぎる気がして。

伝説の、2006年ユーロの発熱演技はいつ観ても感動するけど、プログラムとして好きかというと、それはまた別の話。 でも、そんなこんなを超越して、私がはっきり「好きだ!」と言えるゴッドファーザーは、トリノの金メダル演技。これ、とても評判が良いとは言えないみたいだけど。

Evgeni Plushenko LP Olympic Games 2006[The Godfather]

この時、北米のメディアにこき下ろされたってね。「いまだかつて、こんなに感動のない金メダル演技は観たことがない」みたいなことだっけ。
…ええっと、誰が書いたか知らんけど、私にとってそんなことはどうでもいい。 4年の月日を超えて、ただ金メダルを手に入れるために、ミーシン先生の言葉のまますべての感情を抑え、数を数えるように技をこなしていったジェーニャ。この演技では、ステップのひとつひとつ、腕の振りのひとつひとつ、すべてが「祈り」だったんだと思う。彼がこの時までに演技を終えて十字を切ったのは、私が動画で観た限り(ああイイカゲンな 笑)、98年のスケカナのフリーの後と、トリノオリンピックのSP&FPだけだ。
観客に対して誰よりも饒舌なスケーターが、この時だけは、自分の為に演技した。そんな気がして、強く心を動かされた。だからこのゴッドファーザーは、好きなんだ。

うーん、だってなあ。演技後、あんなに感情に飲み込まれそうな顔、他で見たことないよ。結局それを抑え込んでしまう強さも、大好きなんだけどね。

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プルシェンコ」カテゴリの記事

コメント

私もこのときのゴッドファーザー、評判良くないけど好きなのです。勝負事ってこういうことなのかなあって。きちっと金メダル取りにいくっていうのは、こういうことなんだなあって。サッカーでもほんとうに強いナショナルチームってワールドカップになるとカッコ悪くても勝ちに行きますよね。
このエントリー読んで、ああそうだったのかって思いました。祈りなんだ。自分のために滑ったんだ。あー。やっぱりオリンピックってこわいっ。

ご来店&コメントありがとうございます!

>母ぴ様
そうですね!「カッコ悪くても勝ちに行く」ことについて、あれこれ言う人もいるけれど、大一番になればなるほど、それがどれだけ難しいことか! 私も一クラブチームを応援する身として「いいサッカー」よりも「勝利」を熱望することが多い。そもそも、何をして「いいサッカー」と言えるか、基準は一つじゃないし。
勝負事は勝った人が強い。このジェーニャを観てるとつくづくそう思います。「自分の為に滑った」というのは私の偏見ですけど…。ただ、そうまでして金メダルを取りに行ったところに、他では観られないほどリアルな、生身のプルシェンコという人間を感じてしまいます。

こんにちは!

そういえばトリノのゴッドファーザー、評判良くなかったですよね…
確かに私も演技そのものはユーロの方が感動しましたが。

でもトリノは演技を終えた後のジェーニャの表情をみていて、本当に胸にぐっときました。
いろんな思いがその表情に表れていて、もしかしたら初めて泣いてしまうんじゃないかって思ったほどでしたし。
オリンピック金メダルの重みを改めて感じました。

emizhenyaさんの最後の文、「結局それを抑え込んでしまう強さも、大好きなんだけどね。」にめっちゃ同意です!

トリノからあっという間に4年近く経ってしまいましたが、もう一度オリンピックでジェーニャの演技をみられるなんてホントに幸せです!

>冬子様
声を大にして言いたいんですが(笑)、本当にこれはNBC、GOOD JOB!っていう感じのスイッチングですよね。演技中にやたらと不要なアップを抜きたがる、某国のスポーツ放送とは年季が違うと思ってしまいました。
ジェーニャはこの時、マジで泣きそうでしたが、泣きませんでしたよね。小さな頃から感情を抑え込んで頑張ってきたので、こんな場面でも容易には崩れないんですね。端で見ていて辛い気もするんですが、これが彼の生き方だと思うにつけ、心を動かされます。共感してくださって嬉しいです。
一方で知人の悲しい話や、悲しい映画では大泣きしそうなタイプに思えますが(笑)

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